建設業許可の更新が近づき、「新規申請のときと同じ書類を、すべて用意し直すのだろうか」と悩んでいませんか。
結論からいうと、更新申請では、新規申請時の書類をすべて提出するわけではありません。
広島県の「建設業許可申請の手引き」では、更新時の書類が、必要な書類、該当する場合に必要な書類、省略可能な書類、前回から変更がなければ省略可能な書類に分けられています。
そのため、書類名だけを並べた一覧を見るのではなく、法人・個人事業主の別、前回申請後の変更、営業所や人員の状況を確認しながら、自社に必要な書類を準備することが重要です。
この記事では、広島県知事許可を更新する場合を中心に、必要書類と省略条件を解説します。
申請方法や個別の状況によって追加資料を求められる場合があるため、実際に申請するときは、広島県の最新手引きと申請窓口での案内もご確認ください。
建設業許可更新の必要書類は4区分で確認する
広島県の手引きにある申請書類一覧では、必要書類が次の記号で区分されています。
| 手引きの記号 | 意味 | 確認するときのポイント |
|---|---|---|
| ◎ | 必要な書類 | 原則として更新申請に含める |
| ○ | 該当があれば必要な書類 | 支店、使用人、更新しない業種など、自社が条件に当てはまるか確認する |
| △ | 省略可能な書類 | 更新申請では省略できるが、変更届など別の手続で提出が必要な場合がある |
| □ | 前回申請から変更がなければ省略可能な書類 | 変更の有無を確認してから省略を判断する |
更新申請で特に間違えやすいのが、△ と □ の違いです。
△ は更新申請において省略可能とされている書類です。一方、□ は、すでに提出している内容から変更がない場合に限り省略できます。
たとえば、定款や株主(出資者)調書は、前回の申請内容から変更がなければ省略できますが、変更があれば提出が必要です。
また、更新申請書類を省略できても、役員や営業所などに変更があれば、別途、変更届を提出しなければならないことがあります。
まずは「更新だから何を省略できるか」ではなく、前回の許可申請後に何が変わったかを確認しましょう。
広島県知事許可の更新で原則必要となる申請書類
ここでは、単独の更新申請で原則必要となる書類を、閲覧可能な申請書・添付書類と、非閲覧の添付書類・確認資料に分けて整理します。
次の一覧は標準的なケースを前提としています。常勤役員等の体制、営業所技術者等の資格、従たる営業所の有無などにより、実際の書類は変わります。
申請書・添付書類(閲覧書類)
| 書類 | 対象・注意点 |
|---|---|
| 建設業許可申請書(様式第1号) | 法人・個人事業主ともに必要 |
| 営業所一覧表(更新)(別紙二(2)) | 更新用の営業所一覧表を使用する |
| 営業所技術者等一覧表(別紙四) | 営業所ごとの営業所技術者等を記載する |
| 誓約書(様式第6号) | 欠格要件に該当しないことなどを誓約する |
| 健康保険等の加入状況(様式第7号の3) | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入状況を記載する |
| 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(様式第11号) | 従たる営業所の代表者などを確認する |
| 営業の沿革(様式第20号) | 更新申請でも必要 |
法人の場合は役員等の一覧表が必要ですが、個人事業主には必要ありません。
営業所一覧表は、新規申請用の別紙二(1)ではなく、更新用の別紙二(2)を使用します。
また、営業の沿革は、財務諸表などと同様に省略できると誤解しやすい書類ですが、広島県の手引きでは更新時も必要とされています。
添付書類・確認資料(非閲覧書類)
| 書類 | 対象・注意点 |
|---|---|
| 別紙三(バーコードはり付け欄) | 書面申請で手数料を納付するために使用する |
| 営業所写真 | 広島県では更新申請でも必要 |
| 登記されていないことの証明書 | 対象となる役員等について必要。申請日前3か月以内に発行されたもの |
| 身分証明書 | 対象となる役員等について必要。本籍地の市区町村が発行し、申請日前3か月以内のもの |
| 常勤役員等に関する証明書 | 通常は様式第7号。補佐者を置く体制の場合は様式第7号の2などを使用する |
| 常勤役員等の略歴書 | 採用する経営業務管理体制に対応する様式を使用する |
| 常勤役員等の常勤性確認資料 | 社会保険関係資料など、現在の常勤性を確認できる資料を提出する |
| 健康保険等の加入状況確認資料 | 保険料の領収証書、納入証明書など、申請時直前の資料を使用する |
| 営業所技術者等の専任性確認資料 | 社会保険関係資料など、営業所への専任性を確認できる資料を提出する |
| 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号) | 法人の役員等または個人事業主について作成する |
このうち、常勤役員等の経営経験を確認する過去の資料は、単独の更新申請では原則として提出対象になっていません。ただし、現在の常勤性を示す資料は必要です。
同様に、営業所技術者等の資格証明書や実務経験証明書は更新時に省略できますが、現在もその営業所に専任していることを確認する資料は必要です。
過去の経験や資格が一度確認されていることと、現在も許可要件を満たしていることは、分けて考える必要があります。
なお、広島県の手引きでは、要件を明確に確認できない場合、一覧にない資料の追加を求めることがあるとされています。
条件に該当する場合に必要となる書類
すべての申請者に共通する書類のほか、会社や営業所の状況によって必要となる書類があります。
従たる営業所の代表者などがいる場合
本店以外の営業所に、契約締結などの権限を委任された代表者を置いている場合は、建設業法施行令第3条に規定する使用人に関する書類を確認します。
主な書類は次のとおりです。
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人に関する確認資料
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書(様式第13号)
- 対象者の登記されていないことの証明書
- 対象者の身分証明書
様式第13号は、該当者がいない場合や、その使用人が法人の役員でもある場合は不要です。
更新しない許可業種がある場合
現在保有している許可業種のうち、一部を更新しない場合は、その旨を記載した申立書が必要です。
更新しない業種があると、営業所技術者等の配置や一般・特定の区分にも影響することがあります。申請書を作り始める前に、どの業種を継続するか確認しましょう。
営業所として公営住宅を使用している場合
広島県の手引きでは、申請者が所有する事務所または賃貸借している事務所については、営業所写真の余白に「自己所有」または「賃貸借」と記載し、原則として使用権を示す追加資料は不要とされています。
ただし、公営住宅を営業所としている場合は、管理する県や市町などが営業所としての使用を承諾していることを確認できる書類が必要です。
個人事業主の自宅と営業所が同じ場所であっても、公営住宅の場合は注意してください。
法人と個人事業主で異なる必要書類
法人と個人事業主では、申請者の構成が異なるため、必要書類にも違いがあります。
申請者が法人の場合に必要な書類
法人では、原則必要となる申請書類に加えて、主に次の書類を確認します。
- 役員等の一覧表
- 役員等についての登記されていないことの証明書と身分証明書
- 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
- 定款
- 株主(出資者)調書
- 法人の登記事項証明書
定款、株主(出資者)調書、法人の登記事項証明書は、前回申請から変更がなければ更新申請で省略できます。
ただし、広島県の手引きは、役員の就任状況などを確認するため、法人の登記事項証明書を可能な限り添付するよう案内しています。添付する場合は、申請日前3か月以内に発行されたものを用意します。
役員変更の登記を済ませていても、建設業許可上の変更届が自動的に提出されるわけではありません。前回申請後に役員が就任・退任している場合は、変更届の提出状況も確認してください。
申請者が個人事業主の場合に必要な書類
個人事業主の場合、法人の役員等の一覧表、定款、株主(出資者)調書、法人の登記事項証明書は必要ありません。
一方、事業主本人について、次の書類などを用意します。
- 登記されていないことの証明書
- 身分証明書
- 常勤役員等に関する証明書・略歴書
- 常勤性の確認資料
また、支配人や従たる営業所の代表者を置いている場合は、その方に関する書類が追加されます。「個人事業主だから必要書類が一律に少ない」と考えず、現在の営業所と人員の体制を確認しましょう。
更新時に省略できる書類と注意点
広島県の手引きで、単独の更新申請において省略可能とされている主な書類は次のとおりです。
| 省略可能な書類 | 注意点 |
|---|---|
| 工事経歴書 | 毎事業年度の決算変更届では提出が必要となる |
| 直前3年の各事業年度における工事施工金額 | 更新申請では省略可能 |
| 使用人数 | 更新申請では省略可能。人員変更に関する別の届出が必要な場合は確認する |
| 財務諸表(法人用・個人用) | 毎事業年度の決算変更届では提出が必要となる |
| 実務経験証明書 | 更新時は省略可能。ただし営業所技術者等の変更や業種追加がある場合は別途確認する |
| 免状・資格証明書・監理技術者資格者証等の写し | 更新時は省略可能。ただし有効期間がある資格等は申請時点の有効性を確認する |
| 指導監督的実務経験証明書 | 更新時は省略可能。特定建設業の営業所技術者等の変更があれば別途確認する |
| 納税証明書 | 更新申請では省略可能 |
検索時に「建設業許可の更新でも納税証明書が必要なのか」と迷う方も多いと思います。
広島県知事許可の単独更新については、手引き上、納税証明書は省略可能です。新規申請等で提出する場合は、法人事業税または個人事業税について、県税事務所が交付する証明書を提出します。
ただし、更新と業種追加などを同時に行う場合や、申請区分が単独更新ではない場合は必要書類が変わります。申請内容を確定してから省略の可否を判断してください。
変更がなければ省略できる書類
次の書類は、前回申請から記載事項に変更がなければ省略できます。
- 所属建設業者団体(様式第20号の2)
- 主要取引金融機関名(様式第20号の3)
- 定款(法人の場合)
- 株主(出資者)調書(法人の場合)
- 登記事項証明書(法人の場合)
反対に、前回から変更があれば提出が必要です。
会社の登記、株主構成、定款、加入団体、取引金融機関などを確認し、「おそらく変わっていない」という記憶だけで省略しないようにしましょう。
公的証明書は対象者と発行日を確認する
更新申請では、証明書を誰の分まで取得するかが分かりにくいことがあります。
必要な人数を確認せずに取得すると、不足による追加取得や、早く取りすぎたことによる取り直しが生じる可能性があります。
登記されていないことの証明書
登記されていないことの証明書は、成年被後見人・被保佐人として登記されていないことを証明する書類です。
広島県知事許可では、主に次の方が対象となります。
- 法人の役員
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人
- 役員以外の執行役員等を常勤役員等としている場合の対象者
- 個人事業主本人
- 個人事業主の法定代理人
申請日前3か月以内に発行されたものが必要です。広島県内では広島法務局で交付を受けますが、出張所や支局では取り扱っていないため注意してください。
なお、一定の内容を記載した医師の診断書で代えることができる場合もあります。該当する可能性がある場合は、事前に申請窓口へ確認しましょう。
身分証明書
ここでいう身分証明書は、運転免許証やマイナンバーカードではありません。
成年被後見人・被保佐人とみなされる者に該当せず、破産者で復権を得ない者にも該当しないことを証明する、本籍地の市区町村が発行する証明書です。
対象者は、原則として登記されていないことの証明書と同じです。こちらも申請日前3か月以内に発行されたものを用意します。
本籍地が遠方の場合、郵送請求に日数がかかることがあります。役員等の人数と本籍地を確認してから、取得時期を決めるとよいでしょう。
外国籍の役員等については、広島県の手引きに別の取扱いが示されています。登記されていないことの証明書を取得するときに国籍を記載した証明書の交付を受けることで、身分証明書の添付が免除されます。氏名の記載方法も含め、事前に手引きと窓口で確認してください。
健康保険等の加入状況確認資料
健康保険、厚生年金保険、雇用保険については、申請時直前の加入状況を確認できる資料を添付します。
広島県の手引きでは、健康保険・厚生年金保険について、保険料の領収証書、納入証明書・納入確認書、標準報酬決定通知書などが例示されています。
雇用保険については、労働保険の概算・確定申告書と領収済通知書、労働保険加入・保険料等納付証明書などが確認資料となります。
口座振替、労働保険事務組合への委託、健康保険の適用除外など、加入・納付の方法によって用意する資料が異なるため、自社の加入状況に合う組合せを手引きで確認しましょう。
前回申請後に変更がある場合は先に整理する
建設業許可の更新は、現在受けている許可を同じ要件で引き続き受けるための申請です。
前回申請後に次のような変更がある場合は、更新申請書へ現在の内容を記載するだけでなく、変更届の提出状況を確認する必要があります。
- 商号・名称
- 法人の役員や代表者
- 資本金額
- 本店や営業所の所在地・名称
- 営業所の新設・廃止
- 常勤役員等または補佐者
- 営業所技術者等
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人
- 健康保険等の加入状況
特に、役員や常勤役員等、営業所技術者等の変更は、現在も許可要件を満たしているかという確認にも関係します。
変更の時期によっては、後任者の経験・資格・常勤性などを示す資料が必要になります。登記事項と建設業許可の届出内容が一致しているか、提出済みの変更届控えを確認してください。
変更届の提出時期や必要書類については、国土交通省の許可後の手続案内もご確認ください。
決算変更届の提出状況も確認する
更新必要書類のうち、工事経歴書や財務諸表は省略可能です。ただし、これらの書類を提出しなくてよいという意味ではありません。
建設業許可業者は、事業年度終了後に決算変更届を提出する必要があります。決算変更届には、工事経歴書、直前3年の各事業年度における工事施工金額、財務諸表などが含まれます。
更新申請を準備するときは、直近分までの決算変更届が提出済みか、控えを確認しましょう。
未提出の年度がある場合や、提出状況が分からない場合は、更新申請とどの順番で進めるか、早めに申請窓口または行政書士へご相談ください。
決算変更届の作成・提出を依頼したい場合は、広島の決算変更届の作成・提出代行サービスをご覧ください。
広島県の最新様式と提出先を確認する
建設業許可の様式や確認資料の取扱いは、法令改正や行政運用により変更されることがあります。
以前の申請書データや、他の都道府県向けに作られた必要書類一覧をそのまま使用せず、申請時点の広島県の様式を確認してください。
広島県の現行様式は、許可申請書様式のページからダウンロードできます。
書面申請は、主たる営業所を所管する建設事務所または支所へ提出します。営業所の所在地ごとの窓口は、広島県の建設業許可|申請窓口一覧【提出先・管轄・市町村別】もご確認ください。
建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を利用する場合は、書面申請とは準備や添付方法が異なる部分があります。国土交通省のJCIP案内に掲載された電子申請用の手引きに従ってください。
建設業許可更新の必要書類に関するよくある質問
- Q個人事業主と法人では、更新の必要書類が違いますか
- A
はい、一部の書類が異なります。法人では、役員等の一覧表、定款、株主(出資者)調書、法人の登記事項証明書などが必要となります。個人事業主にはこれらの法人関係書類はありません。
- Q建設業許可の更新でも納税証明書は必要ですか
- A
広島県知事許可の単独更新では、納税証明書は省略可能です。ただし、業種追加やその他の変更を同時に行う場合、または決算変更届に未提出がある場合は、省略の対象外となることがあります。大臣許可や他都道府県知事許可については、管轄する許可行政庁の手引きを確認してください。
- Q更新時に営業所技術者等の資格証明書は再提出が必要ですか
- A
広島県知事許可の単独更新では、免状・資格証明書・監理技術者資格者証等の写しは省略可能です。ただし、営業所技術者等が現在も営業所に専任していることを示す確認資料は必要です。また、営業所技術者等を変更する場合や、業種追加などを同時に行う場合は、資格・実務経験に関する資料が必要になることがあります。
- Q更新時にも営業所写真は必要ですか
- A
はい。広島県の書面申請用手引きでは、営業所写真は単独の更新申請でも必要とされています。営業所が自己所有か賃貸借かを写真貼付用紙の余白に記載します。公営住宅を営業所にしている場合は、営業所としての使用承諾を確認できる書類も必要です。
- Q前回申請後に変更がなければ、省略できる書類はありますか
- A
あります。定款、株主(出資者)調書、所属建設業者団体、主要取引金融機関名、法人の登記事項証明書は、前回申請から変更がなければ省略可能です。ただし、法人の登記事項証明書について、広島県は役員の就任状況などを確認するため、可能な限り添付するよう案内されています。
必要書類の準備に不安がある場合は早めにご相談ください
建設業許可の更新で必要となる書類は、事業者様の状況によって異なります。
法人・個人事業主の別、前回申請後の変更、営業所や人員の状況、更新する許可業種などを確認したうえで、原則必要な書類、条件付きで必要な書類、省略できる書類を整理する必要があります。
特に、次のような場合は準備に時間がかかる可能性があります。
- 前回の申請書や変更届の控えが見つからない
- 決算変更届を提出しているか分からない
- 役員、営業所、常勤役員等、営業所技術者等に変更がある
- 更新しない許可業種がある
- 証明書を取得する対象者が多い
- 許可の有効期間満了日が近い
行政書士たつかわ事務所では、現在の許可内容と届出状況を確認し、必要書類のご案内、申請書類の作成、広島県の窓口への提出、補正対応まで、建設業許可更新を一貫してサポートしています。
サービス内容や費用については、広島の建設業許可更新申請代行サービスをご確認ください。


