
広島で個人事業主や一人親方として建設業を営んでいる方の中には、「建設業許可を取りたいけれど、要件や必要書類が多くて不安…」「そもそも個人事業主で建設業居許可は取れるのか?」と、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、広島県で建設業許可の取得を目指す個人事業主の方に焦点を当て、許可の要件や必要書類、申請の流れを徹底解説します。
個人事業主(一人親方)でも建設業許可を取得できるのか?
建設業法第3条では、「建設業を営む者は一定規模以上の工事を請け負う場合、国や都道府県の許可を受けなければならない」と定められています。この「建設業を営む者」には法人だけでなく、個人事業主や一人親方も含まれます。
つまり、法律上は法人でも個人事業主でも、500万円(建築一式工事は1,500万円)以上の工事を請け負う場合には、建設業許可を取得する必要があります。
ただし、要件や必要書類の準備は法人と同様に厳格であり、個人事業主であっても経営経験や営業所技術者の配置、適切な社会保険への加入などを証明する必要があります。
個人事業主(一人親方)が建設業許可を取得するメリット・デメリット
個人事業主が建設業許可を取得する最大のメリットは「大規模案件への参入」が可能になる点です。建築一式工事で1,500万円以上、その他工事で500万円以上の工事は、建設業許可が必須となります。許可を持たないままでは請け負うことができないため、事業拡大には不可欠です。
また、金融機関からの信用力向上や元請企業からの発注増加、公共工事への入札資格を得るために必要な経審を受けることができるようになる点も大きな利点です。
また、個人事業主で建設業許可を取得する場合は、法人で取得する場合に比べて、準備資料の分量が少ないため、比較的短期間で許可を取得することができます。
一方、当然デメリットも当然あります。許可を取得したり維持していくためのコストが発生する点です。広島県知事許可の場合は申請手数料が必要となり、新規取得の場合に9万円、5年毎の更新の場合には5万円が必要となります。また、毎年の決算変更届の提出等も必要となり、これらの作業を行政書士に依頼する場合には、そのコストも上乗せで必要となります。
事業承継のハードルが依然として高い点もデメリットとして挙げられます。R2年の法改正で、個人事業主の法人成りや死亡後に事業承継ができるようになりました。しかし、後継者の育成、確保といった課題は、依然として大きなハードルとなっています。
建設業許可取得に必要な6つの要件

個人事業主の場合でも、法人の場合でも、建設業許可を取得するためには、次の6つの要件を満たすことが必要です。一つでも欠けると許可は認められず、許可後に要件を失えば取消処分を受ける場合もあります。
経営業務の管理責任者
建設業の経営を統括し、適正に遂行する能力がある人(経営業務の管理責任者)を、営業所に常勤で配置することが必要で、この人材には過去に一定期間、建設業の経営業務に携わった経験が求められます。
個人事業主の申請の場合、個人事業主ご自身が経営業務の管理責任者に就任するケースが多いようです。
営業所技術者の配置
経営業務の管理責任者と並んで重要な要件が、営業所ごとに営業所技術者を配置する必要があることです。営業所技術者等とは、建設工事に関する請負契約の適正な締結、履行を確保するために専門的な知識や経験を有し、営業所に常勤する人材を指します。
個人事業主の申請の場合、個人事業主ご自身が、経営業務の管理責任者営業所技術を兼任するケースが多いようです。
財産的基盤を有すること
広島県知事許可で一般建設業を取得する場合には、自己資本500万円以上、または500万円の資金調達能力を証明する必要があります。個人事業主の場合、この資金確保が負担になりやすいため注意が必要です。
誠実性の要件
事業主、支配人、営業所の代表者といった経営上の重要な地位にある人が、過去に建設工事の契約や履行に関して社会的に非難されるような行為がないことが求められます。
欠格要件に該当しないこと
建設業許可を取得するためには、欠格要件に該当しないことが求められます。欠格要件とは、法令に基づいて許可を与えられない事由を指し、信頼性のない事業者を排除する役割を担っています。
適切な社会保険に加入していること
建設業許可を取得するためには、適正な社会保険への加入も重要な要件です。個人事業主でも、従業員を雇用する場合には雇用保険や労災保険といった労働保険への加入が必要です。
建設業許可の概要や6つの要件について、より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
建設業許可申請に必要な書類
広島県で個人事業主が建設業許可の申請をする際に、必要になる書類は次の通りです。(申請者の状況によっては、追加資料が必要となる場合もあります。)
閲覧書類とは、申請後に閲覧可能となる書類、非閲覧書類は、申請先で保管されるものの一般に公開されない書類です。
【閲覧書類】
- 建設業許可申請書
- 営業所一覧表
- 営業所技術者等一覧表
- 工事経歴書
- 直前3年の各事業年度における工事施工金額
- 使用人数
- 誓約書
- 健康保険等の加入状況
- 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表
- 財務諸表
- 営業の沿革
- 所属建設業者団体
- 主要取引金融機関名
【非閲覧書類】
- 営業所写真
- 登記されていないことの証明書
- 身分証明書
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書
- 常勤役員等の略歴書
– 経営経験確認資料
– 常勤性確認資料
– 申立書(他社への勤務をしていないこと) - 健康保険等の加入状況確認資料
- 営業所技術者等証明書
– 専任性確認資料
– 実務経験証明書
– 経験確認資料
– 免状、資格証明書 - 納税証明書
- 残高(融資)証明書
許可申請の流れと手続きの注意点
知事許可と大臣許可の違い
建設業許可は「知事許可」と「大臣許可」の区分に分かれています。広島県内にのみ建設業を営む営業所がある場合は知事許可、複数都道府県に建設業を営む営業所がある場合は大臣許可が必要となります。
個人事業主の場合、知事許可で申請するケースが多いのではないかと思います。
一般建設業と特定建設業の違い
建設業許可は、更に「一般建設業」と「特定建設業」の区分にも分かれています。下請代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)となる下請契約を締結して施工する場合はに、「特定建設業」の許可が必要です。
一人親方や個人事業主の方の場合は、一般建設業で申請するケースが多いようです。
新規建設業許可申請の流れ(広島県知事許可の場合)
新規の建設業許可申請から許可取得までの手続きは、次の①から⑦のような流れとなります。
- 申請書類の作成(申請者)
- 許可の申請(申請者→広島県)
- 申請書類の受付(広島県)
- 許可申請手数料の現金による納付(申請者)
- 申請書類の審査(広島県)
- 申請書類の不備等による補正指導(広島県→申請者)
- 許可・許可通知書の送付
※ 広島県知事許可の場合は、申請(書類の受付)から許可までの標準的な処理期間は、概ね45 日間となっています。ただし、申請書類の不備や補正等に要する期間は含まれません。
まとめ
個人事業主や一人親方の場合でも、法人と同じく要件を満たせば建設業許可を取得することは可能です。しかし、経営経験や実務経験を証明する書類を揃えることが非常に難しく、自力での申請を諦めてしまうケースも少なくありません。
もし、より大きな工事を受注するために一日も早く建設業許可を取得したいとお考えの場合には、まずは行政書士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
当事務所でも、広島市を中心に建設業許可に関する各種手続きのサポートを行っております。初回相談は無料となっておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。お客様に代わって複雑で面倒な手続きをサポートいたします!


