広島県内でこれまでより大きな工事を受注する予定がある場合や、元請会社から許可取得を求められた場合、「何から確認すればよいのか」と迷うことがあります。
建設業許可を検討するときは、最初から申請書を作り始めるのではなく、次の3点を順番に整理することが大切です。
- 請け負う工事に建設業許可が必要か
- 取得する許可区分と業種は何か
- 許可の要件を資料で確認できるか
この3点を整理すると、自社が次に調べるべき内容や、準備すべき資料が見えやすくなります。
本記事では、建設業法と許可制度の基本を確認したうえで、広島で建設業許可を検討するときの確認順序を案内します。500万円ルール、許可区分、6つの要件、費用、申請の流れなど、詳しい説明が必要な論点については、内容に応じた解説記事も紹介します。
なお、許可の要否、工事業種、経営経験・実務経験を示す資料の取扱いは、個別の契約内容や経歴によって異なります。記事内の一般的な説明だけで判断が難しい場合は、申請先となる行政庁や専門家へ確認することが必要です。

広島で建設業許可を検討するときの確認順序
- 許可が必要な工事か確認する
- 知事・大臣、一般・特定、29業種から必要な許可を整理する
- 6つの要件と確認資料の見込みを確認する
- 判断が難しい場合は、申請先となる行政庁や専門家へ確認する
建設業法と建設業許可の基本
建設業許可は、建設業法に基づく制度です。まず、建設業法が何を対象とし、許可制度がどのように位置づけられているかを確認しておきましょう。
建設業法は、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進することなどを目的としています。そのため、許可制度だけでなく、建設工事の請負契約、元請・下請関係、施工技術の確保、監督処分などについても定めています。
建設業許可については、公共工事か民間工事かを問わず、建設工事の完成を請け負うことを営業する場合、原則として許可を受ける必要があります。ただし、「軽微な建設工事」だけを請け負って営業する場合は、必ずしも許可を受ける必要はありません。
許可が必要かを考える前提としては、「建設工事」「建設業」「建設業者」の意味を区別しておくことが大切です。
建設工事・建設業・建設業者の違い
建設業法では、「建設工事」を土木建築に関する工事のうち、法律の別表に掲げられた工事としています。建設業許可は29業種に分かれているため、実際に請け負う工事がどの業種に当たるかを確認する必要があります。
「建設業」とは、元請・下請の別を問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいいます。元請として発注者から直接受注する場合だけでなく、下請として工事を請け負う場合も建設業に含まれます。
「建設業者」は、建設業法に基づく許可を受けて建設業を営む者を指します。一方、軽微な建設工事だけを請け負い、許可を受けずに営業している者は、建設業を営んでいても、建設業法上の「建設業者」には当たりません。
29業種の区分や、それぞれに含まれる工事内容については、「建設業許可の29業種一覧と、自社に必要な許可業種の選び方」で確認できます。
建設工事に該当するかは業務の実態から確認する
建設工事に該当するかは、契約書や見積書に書かれた名称だけで決まるものではありません。実際に何を完成させる契約なのか、現場でどのような作業を行うのかを確認する必要があります。
例えば、設計、測量、点検、清掃、資材の製造・納品のみといった業務は、施工を伴わなければ建設工事に該当しない場合があります。一方、同じ名称の業務でも、工作物への取付けや改修工事まで含む場合は、建設工事として扱われる可能性があります。
個別の業務が建設工事に当たるか判断するときは、契約内容、見積書の内訳、施工方法などを整理したうえで確認することが大切です。許可が不要となる工事や業務の考え方については「建設業許可が不要な場合とは」もご確認ください。
また、軽微な建設工事に該当する金額基準、消費税、注文者から支給される材料、分割契約などの扱いは、「建設業許可の500万円ルール」で詳しく解説しています。
根拠となる法令・行政資料
広島で建設業許可を検討するときの3つの確認事項

建設業許可の検討は、次の3項目を順番に確認すると整理しやすくなります。
- 請け負う工事に許可が必要か
- 取得する許可区分と業種は何か
- 6つの許可要件を確認資料で示せるか
許可が必要な工事であっても、申請する区分や業種が違えば、確認すべき要件や資料も変わります。まず工事内容や契約関係を整理し、その後に人員・経験・財産などの要件を確認しましょう。
1.請け負う工事に許可が必要か
建設工事の完成を請け負うことを営業する場合は、元請・下請や公共・民間の別を問わず、原則として建設業許可が必要です。ただし、次の「軽微な建設工事」だけを請け負う場合は、許可を受けずに営業できます。
| 工事の種類 | 軽微な建設工事の範囲 |
|---|---|
| 建築一式工事 | 1件の請負代金が1,500万円未満の工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事 |
| 建築一式工事以外 | 1件の請負代金が500万円未満の工事 |
請負代金はいずれも消費税を含めて判断します。また、注文者が材料を提供する場合や、同じ工事を複数の契約に分ける場合には、単純に契約書の金額だけでは判断できないことがあります。
今後受注する工事が基準額以上になる予定なら、契約前に許可取得の見込みを確認することが重要です。金額の数え方や例外を確認したい場合は、「建設業許可の500万円ルール」をご覧ください。
2.取得する許可区分と業種は何か
許可が必要と分かったら、営業所の所在地、元請として下請へ発注する金額、実際に請け負う工事内容の3点から、取得する許可を整理します。
広島県知事許可か国土交通大臣許可か
建設業を営む営業所が広島県内だけにある場合は、広島県知事許可が必要です。広島県と他の都道府県の双方に建設業を営む営業所を設ける場合は、国土交通大臣許可が必要となります。
知事許可か大臣許可かは工事現場の場所ではなく、建設業を営む営業所の所在地で決まります。広島県知事許可を受けた事業者も、営業所の体制や契約方法に問題がなければ、県外の工事を施工できます。
一般建設業か特定建設業か
発注者から直接工事を請け負う元請事業者が、1件の工事について下請へ出す代金の総額が5,000万円以上となる場合は、原則として特定建設業許可が必要です。建築一式工事では、この基準額は8,000万円以上です。
この基準は元請事業者が下請契約を結ぶ場合のものです。下請として受注した工事をさらに下請へ出す場合や、下請へ出さず自社で施工する場合は、請負金額が大きいという理由だけで特定建設業許可が必要になるわけではありません。
一般建設業と特定建設業の違いは、「一般建設業と特定建設業の違い」で詳しく説明しています。
29業種のうち、どの許可が必要か
建設業許可は、土木一式工事、建築一式工事、大工工事、電気工事、管工事など29業種に分かれています。許可は実際に請け負う工事に対応する業種ごとに取得するため、会社案内や見積書の工事名だけではなく、施工内容から判断する必要があります。
一式工事の許可があれば、すべての専門工事を自由に請け負えるという意味ではありません。業種の考え方や29業種の一覧は、「建設業許可の29業種一覧と、自社に必要な許可業種の選び方」をご確認ください。
3.6つの許可要件を確認資料で示せるか
取得する区分と業種が整理できたら、許可要件を満たす人員や財産があるかだけでなく、その事実を資料で示せるかを確認します。建設業許可では、おおむね次の6項目が確認されます。
- 建設業の経営を適正に行うための体制があること
- 営業所ごとに、取得する業種に対応する営業所技術者等を置くこと
- 請負契約に関して誠実性があること
- 工事を請け負うために必要な財産的基礎または金銭的信用があること
- 建設業法で定める欠格要件に該当しないこと
- 適用を受ける社会保険へ適切に加入していること
特に、建設業の経営経験や営業所技術者等の資格・実務経験は、経験があるという説明だけでなく、当時の役職、在籍、工事実績などを客観的な資料で確認できることが重要です。過去の資料の保存状況によっては、要件を満たしていても立証方法の検討に時間がかかります。
6つの要件と確認資料については、「建設業許可の6つの要件」で詳しく確認できます。もし、判断が難しい内容等があれば、申請書を作成する前に、広島県の建設事務所または行政書士のような専門家へ確認しましょう。
現在の状況から、次に確認するページを選ぶ
建設業許可には、許可の要否、業種、許可要件、必要書類、費用など、個別に確認すべき内容が沢山あります。しかし、最初からすべてを詳しく調べる必要はありません。
現在の疑問点や状況に最も近い内容から確認してみてください。
| 現在の疑問・状況 | 次に確認する内容 | 詳しいページ |
|---|---|---|
| 500万円未満なら許可不要か知りたい | 消費税、支給材料、分割契約を含む金額の考え方 | 建設業許可の500万円ルール |
| 許可が不要な工事や業務を知りたい | 軽微な建設工事や、建設工事に当たらない業務 | 建設業許可が不要な場合とは |
| 一般と特定のどちらが必要か知りたい | 元請として下請へ発注する金額による区分 | 一般建設業と特定建設業の違い |
| どの業種の許可を取るか分からない | 29業種と実際の施工内容の対応 | 建設業許可の29業種一覧と、自社に必要な許可業種の選び方 |
| 許可要件を満たすか確認したい | 常勤役員等、営業所技術者等、財産的基礎など | 建設業許可の6つの要件 |
| 個人事業主・一人親方として取得したい | 個人で申請する場合の要件と確認資料 | 個人事業主の建設業許可 |
| 準備から許可までの流れを知りたい | 必要書類、申請、審査を見込んだスケジュール | 広島県で建設業許可を取得するまでの流れとスケジュール |
| 申請にかかる費用を知りたい | 法定手数料、実費、行政書士報酬 | 建設業許可を行政書士に依頼する際の費用相場と総額 |
| 自分で申請するか依頼するか迷っている | 自分で行う場合と行政書士へ依頼する場合の比較 | 建設業許可は自分で申請するべきか? |
| 新規申請の代行を依頼したい | 対応内容、費用、ご相談から申請までの流れ | 広島の建設業許可(新規)申請代行サービス |
このページでは制度全体の確認順序を案内し、各論は上記の専門記事で詳しく説明しています。複数の問題が関係する場合は、許可の要否、必要な業種、6つの要件の順に確認していくと、状況を整理しやすくなります。
広島県知事許可の申請から許可までの全体像

広島県知事許可の新規申請は、一般的に次の順序で進みます。申請書の作成前に、許可要件と確認資料の見込みを確認しておくことが重要です。
1.許可の要否・区分・業種を確認する
請け負う工事に許可が必要か、広島県知事許可と国土交通大臣許可のどちらか、一般建設業と特定建設業のどちらか、取得する業種は何かを整理します。
2.許可要件と確認資料を整理する
常勤役員等の経営経験、営業所技術者等の資格・実務経験、財産的基礎、営業所、社会保険などを確認します。要件を満たすことに加え、申請先が求める資料で確認できることが必要です。
3.現行の手引きと様式に沿って申請書を作成する
広島県が公開している最新の建設業許可申請の手引きと様式で申請書を作成します。作成を始める時に、公式ページを確認するようにしましょう。
4.管轄窓口または電子申請で提出する
書面申請の場合は、主たる営業所の所在地を管轄する建設事務所等へ提出します。対象となる手続は、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)でも申請できます。
5.行政庁の審査と補正に対応する
提出後は、申請内容と確認資料の審査が行われます。不足資料の追加や記載内容の補正を求められた場合は、その内容を確認して対応します。申請が受理された場合でも、必ず許可されるとは限りません。
6.許可後の届出と更新を管理する
許可後は営業所等への標識の掲示、変更事項が生じた場合の届出、毎事業年度終了後の決算変更届などが必要です。許可の有効期間は5年間で、継続する場合は更新申請を行います。
詳しい必要書類や準備期間を含む進め方は、「広島県で建設業許可を取得するまでの流れとスケジュール」をご確認ください。書類作成や窓口提出を含む代行をご希望の場合は、「広島の建設業許可(新規)申請代行サービス」でサービス内容をご案内しています。
広島県で申請するときに確認したい地域情報
広島県知事許可を申請するときは、全国共通の建設業法だけでなく、広島県が公開する最新の手引き、様式、申請窓口なども確認しましょう。
| 確認事項 | 広島県での確認内容 | 詳細・根拠 |
|---|---|---|
| 申請手引き | 制度、許可区分、申請方法、確認資料、変更届などを確認する | 「建設業許可申請の手引き」について|広島県 |
| 申請様式 | 申請時点で公開されている現行様式を使用する | 許可申請書様式|広島県 |
| 申請窓口 | 主たる営業所の所在地によって管轄する建設事務所等が異なる | 広島県の建設業許可申請窓口、建設業の許可制度について|広島県 |
| 新規申請手数料 | 一般のみ、または特定のみを新規申請する場合は9万円。一般と特定を同時に新規申請する場合は18万円 | 建設業許可申請の手引き|広島県 |
| 標準処理期間 | 申請受理から許可まで、おおむね45日。補正などに要する期間によって実際の時期は変わる | 建設業課の標準処理期間|広島県 |
| 電子申請 | 新規・更新・業種追加、変更届など一部の手続はJCIPで申請できる。利用にはGビズIDが必要 | 建設業許可・経営事項審査の電子申請について|広島県 |
手数料、標準処理期間、様式、電子申請の対象手続は、制度改正や行政運用によって変わる可能性があります。実際に申請するときは、広島県の公式ページで最新情報を再確認してください。
また、標準処理期間は申請書を受理してからの目安です。申請前に経営経験や実務経験の確認資料等を集める期間は含まれていません。許可が必要となる時期が決まっている場合は、許可要件と資料の確認を早めに始めることが大切です。
相談前に整理しておくと確認しやすいこと
建設業許可について行政庁や行政書士へ相談するときは、次の情報を分かる範囲で整理しておくと、確認が進みやすくなります。最初から申請書類をすべて揃える必要はありません。
| 確認事項 | 整理する情報・手元の資料 | 確認の目的 |
|---|---|---|
| 予定する工事 | 具体的な施工内容、請負金額、見積書、元請・下請の別 | 許可の要否と必要な業種を確認する |
| 本店・営業所 | 所在地、建設業を営む営業所の予定、他県の営業所の有無 | 知事許可・大臣許可と管轄窓口を確認する |
| 建設業の経営経験 | 代表者、役員、個人事業主としての期間、当時の会社名や役職 | 経営業務の管理体制と確認資料の見込みを確認する |
| 営業所技術者候補 | 保有資格、卒業した学科、担当した工事と期間 | 取得業種に対応する営業所技術者等を確認する |
| 希望時期 | 受注・契約予定日、元請会社から示された期限 | 資料準備と審査を見込んだ許可取得までのスケジュールを検討する |
建設業許可をご検討の段階では、経営経験や実務経験を証明する資料がすべて揃っていなくても、まずは現在お手元に残っている資料をご準備ください。
確定申告書、契約書、注文書、請求書、入金記録、資格証など、確認に利用できる資料は、お客様のこれまでの経歴や状況によって異なります。
行政書士たつかわ事務所では、必要な資料がすべて揃う前の段階からご相談を承っています。不足している情報を一つずつ確認しながら、これまでの経歴、営業所技術者の候補者、財産状況、社会保険の加入状況、現在お持ちの資料などを整理していきます。
実際に申請が可能かどうかは個別の状況によって異なりますが、現時点で何が不足しているのか、次にどのような資料を準備すればよいのかを整理することができます。
必要書類や申請までの準備を詳しく知りたい場合は、「広島県で建設業許可を取得するまでの流れとスケジュール」をご覧ください。
広島の建設業許可についてよくある質問
- Q自社に必要な建設業許可の業種が分かりません
- A
見積書や請求書に記載する工事名だけでなく、実際に何を設置・築造・改修するのか、どのような施工を行うのかを確認し、判断が難しい場合には申請先へ確認します。
- Q個人事業主や一人親方でも建設業許可を取得できますか
- A
法人であることは建設業許可の必須条件ではありません。個人事業主や一人親方も、経営体制、営業所技術者等、財産的基礎などの要件を満たし、確認資料を提出できれば申請できます。詳しくは「個人事業主・一人親方が建設業許可を取得するための要件と必要書類」で解説しています。
- Q資料が揃っていなくても相談できますか
- A
資料がすべて揃っていない段階でも、ご相談いただけます。まずは、過去の確定申告書、契約書、注文書、請求書、入金記録、資格証など、手元に残っているものをご準備ください。
- Q許可が必要となる時期が決まっている場合、いつ相談すべきですか
- A
広島県知事許可の標準処理期間は申請受理後おおむね45日ですが、それ以前に資料の収集や申請書の作成が必要です。補正等にかかる期間も案件によって異なるため、受注予定や元請会社から示された期限が分かった時点で、できるだけ早く許可要件と資料を確認することをおすすめします。
まとめ|建設業許可の検討は、予定している工事内容の確認から
広島で建設業許可を検討する際は、まず、予定している工事の内容と請負金額を確認してください。そこから、許可が必要な工事か、どの業種の許可を取るべきかを検討していきます。
許可の区分や業種が決まった後は、経営経験、営業所技術者等、財産的基礎などの要件を確認します。申請では、要件を満たしていることに加えて、それを資料で確認できることも必要です。特に、過去の経営経験や実務経験を使う場合は、当時の契約書、注文書、請求書、入金記録などが残っているかも確認しておきましょう。
許可要件については、「建設業許可の6つの要件」で詳しく説明しています。必要書類や申請までの進め方は、「広島県で建設業許可を取得するまでの流れとスケジュール」をご確認ください。
行政書士への依頼を検討している場合は、「広島の建設業許可(新規)申請代行サービス」で対応内容をご案内しています。
工事業種の判断や、経験を確認する資料の組み合わせは、申請する内容によって異なります。自社の場合、どの資料を確認すればよいか分からないときは、お気軽に行政書士たつかわ事務所へご相談ください
⇒ 広島の建設業許可に関するご相談・サポート


