
例えば、建設業で「一人親方」として働いている方々が、現場作業で忙しくしながら、空き時間で営業を行って次の仕事を取り、施工管理もこなす・・・、そんな働き方をしていると、「建設業許可を取るにはどうすればいいんだろう?」という疑問が湧いてこないでしょうか?
許可を取るためには「経営業務の管理責任者」、「営業所技術者等」という役割の人を選任することが必要で、営業所に常勤であったり、専任でなければならないということが原則として求められます。多くの従業員が在籍する会社であれば問題はないのですが、一人親方や一人会社の社長は、この高いハードルをどうやってクリアすれば良いのでしょうか?
今回の記事では、そのような場合でも対応できるよう、建設業許可の要件の経営業務の管理責任者と営業所技術者等を兼務する方法や注意点について解説いたします。
経営業務の管理責任者や営業所技術者等に求められる要件は、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
経管・営業所技術者等には常勤性が必要

建設業許可では、経営業務の管理責任者(経管)も営業所技術者等も、必ず営業所に常勤していることが求められています。ここでの「常勤」とは、休日を除き、一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している状態をいいます。したがって、他の会社の常勤職員である場合には、常勤と見なすことはできません。
常勤性を証明するためにはさまざまな証明資料の提出が求められます。例えば、広島県知事許可の場合の経管の常勤性証明資料では、法人の役員等や従業員の場合は、社会保険標準報酬決定通知書(写)や社会保険(健康保険・厚生年金保険)資格取得届(写)が必要となります。
ただし、これら証明資料は地域によって若干異なる場合がありますので、申請先の手引き等を確認するようにしてください。
※広島県知事許可の場合は、「建設業許可申請の手引き」(令和7年2月以降)をご確認ください。
営業所技術者等には専任性が必要
「営業所技術者等」(以前の「専任技術者」のこと)とは、建設工事の施工に関する一定の資格又は経験を有する技術者で、営業所ごとに専任で配置される必要があります。
ここでの「専任」とは、その営業所に常勤して専らその職務に従事することをいい、ある営業所の技術者が他の営業所の営業所技術者等を兼務することは原則として認められません。
つまり、建設業の本店と他の複数の営業所がある場合には、営業所技術者等を、本店・各営業所ごと、許可業種ごとに、複数人を配置する必要があります。
経管と営業所技術者等の兼務について
建設業許可を取得するためには「経営業務の管理責任者」、「営業所技術者等」という役割の人を選任することが必要で、営業所に常勤であったり、専任でなければならないということは、ここまでのご説明でご理解いただけたかと思います。
では、一人親方や一人会社の社長は、この高いハードルをどうやってクリアすれば良いのでしょうか?この点については、建設業許可事務に次のように書いてあります。
【第5条及び第6条関係】
2.許可申請書類の審査要領について
(5)常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第七号)について
① 規則第7条第1号イに該当する常勤役員等(以下「常勤役員等」という。)が同時に営業所技術者等の要件を備えている場合には、同一営業所(原則として本社又は本店等)内に限って当該営業所技術者等を兼ねることができる。
経営業務の管理に必要な「常勤役員等」と「営業所技術者等」との双方の基準を満たしている者は、同一営業所内において両者を一人で兼ねることができるということが記載されています。
役員という立場は、「経管」と「営業所技術者等」のどちらにも対応し得るものです。つまり、本店に常勤している役員が、経管に求められる条件を満たすだけでなく、営業所技術者等としての国家資格や実務経験も備えていれば、1人で両方の役割をこなすことができるわけです。
よくある質問
- Q経管と営業所技術者等は兼務できますか?
- A
兼務できます。ただし、経営業務管理責任者は本店の勤務が必要ですので、本店における営業所技術者等との兼務のみ認められます。
- Q本店の経管(役員)が他の営業所で、営業所技術者等を兼務することはできますか?
- A
いいえ、できません。他の営業所の技術者を兼務することは、常勤性・専任性の点から認められないケースがほとんどです。
まとめ

営業所技術者等の要件を満たす経管と、経管の他に営業所技術者等の要件を満たす人がいらっしゃるケースで、「経管と営業所技術者等を兼務したほうが良いのか?」「兼務しないほうが良いのか?」といったご相談がよくあります。
このような場合には、お客様の状況によってどちらが良いとは一概には言えない部分もあります。もし判断に迷われるようでしたら、建設業許可業務を専門とする行政書士へご相談されることをおすすめします。
当事務所でも、建設業許可に関する相談対応や申請代行サービスを提供しております。このようなお悩み等がございましたら、お問い合わせフォーム等から、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。


