
広島で建設業許可の申請を行政書士に依頼しようと考えたとき、まず気になるのは「費用はいくらかかるのか?」だと思います。同じ品質の申請代行サービスが提供されて、同じ結果が出るのであれば、ご依頼者様にとって費用が安いことに越したことはないのですが、一概に費用が安ければ何でも良いというわけでもありません。
問題は、どの行政書士に依頼しても同じ品質のサービスが提供され、同じ結果が出るのかということです。残念ながら、現実はそうなっていません。また、金額に比例してサービスの品質も向上するのかというと、これもそうとは限らないのが現実です。
では、ご依頼者様はどうやって行政書士を選べば良いのでしょうか?この記事では、建設業許可申請の手続きにおける費用の相場について解説し、行政書士の選び方について当事務所なりの見解をお伝えします。
建設業許可の申請代行サービスにおける行政書士報酬の相場とは

通常、行政書士が報酬額を設定する際には、ほとんどの場合、同じ業務をしている同業者の価格設定を気にするはずです。周囲とかけ離れた価格設定をしてしまうと、依頼が来ないと考えるためです。周囲とかけ離れた価格というものは、高すぎても安すぎても、ご依頼者様にとっては不安になるものではないかと思います。
また、日本行政書士会連合会では、5年に1回、全国的な報酬額の統計調査を行い、その結果をホームぺージで公開しています。
これを参考に価格設定をしている行政書士も多いことでしょう。こうして、行政書士同士がお互いに報酬額の設定を参考にしあう中で、「相場」というものが形成されていきます。
そもそも、行政書士の報酬額は、それぞれの行政書士が自由に設定し、事務所の見やすい場所に掲示することとされています。最近では、ホームページを持つ方が多いため、そこで公開している場合もあります。
「建設業許可 行政書士 ○○県」などのキーワードで検索をすれば、その地域で建設業許可を業務とする行政書士事務所が出てくるはずです。4~5つの事務所の報酬額を調べてみれば、割と正確に相場を把握できるのではないかと思います。
独断と偏見が入っているかもしれませんが、広島県での建設業許可の申請代行サービスの相場をあげるとすれば、次のようになるのではないでしょうか。
| 手続き | ケース | 費用 |
|---|---|---|
| 建設業許可申請 (知事・一般) | 新規 | 100,000~200,000円 |
| 建設業許可申請 (知事・一般) | 更新 | 55,000~100,000円 |
| 建設業許可申請 (知事・一般) | 業種追加 | 55,000~100,000円 |
一般的に、ご依頼者様にとっての費用の総額は、次のようになっています。
ご依頼者様にとっての費用総額 = 法定費用+実費+行政書士報酬
ここで大切なのは、単に費用の相場だけを追うのではなく、行政書士から手続きの見積書を受け取ったときに、費用総額の内訳がどのような構成から成り、どこまでをサポートしてくれるのかを確認すること、つまり費用の根拠を読み解くことです。
この費用総額の構成要素について、1つづつ詳しく見ていきたいと思います。
法定費用|全国一律で変わらないコスト
建設業許可の新規取得にともなう法定費用は、全国一律で定められている申請手数料です。広島県知事許可の場合は90,000円、国土交通大臣許可の場合は150,000円です。申請手数料は、どの地域で申請しても、誰に依頼しても変わることはありません。ここは固定値と考えて差し支えありません。
更新や業種追加でも同様に、申請区分ごとに所定の申請手数料が設定されています。たとえば広島県知事許可(一般)での更新や業種追加の手数料は50,000円です。手続の種類が変われば、支払うべき固定値も変わるという理解があれば、ここは十分ではないかと思います。
申請手数料の詳細は、広島県の「建設業許可申請の手引き」(令和7年2月以降)をご参照ください。
実費|公的証明書・交通費・通信費などの変動費
見落とされがちで、かつ案件ごとに差が出やすいのが実費です。
履歴事項全部証明書、納税証明、身分証明書、登記されていないことの証明といった公的証明書については、取得する証明書の種類、部数で金額が上下します。平均的なケースでは数千円〜1万円程度に収まることが多いのですが、部数が増える、追加の確認が必要になるといった要因が重なると、変動幅は自然と大きくなっていきます。
次に、実費が大きく変動する原因となる要素が交通費、宿泊費です。行政書士が、手続きや打合せのために発生したこれらの経費について、実費に加算する場合があります。
その他には、書類を郵送する場合の切手代やレターパック代等の通信費関係です。
実費関係では、これらを把握しておくと、見積書の読み解きが一段と正確なものとなります。
行政書士報酬額|仕事の中身に比例する専門家のコスト
費用総額の構成要素、最後は行政書士報酬額です。
新規・知事許可・一般の標準的な難易度の申請では、10万円〜20万円が一つの相場帯として語られていますが、特定建設業や大臣許可、会社体制の整備・修正が必要な案件になると、難易度が上がるため、報酬額も上振れするのが通常です。反対に、難易度が低い場合には、当然報酬額も下振れします。
案件ごとに大きく変わる建設業許可申請の難易度・工数について
ひと口に建設業許可申請の手続きといっても、許可の区分や、業種数、必要資料の揃い具合等々、同じ許可申請であっても、ご依頼者様の状況によって、業務の難易度や業務遂行にかかる工数が異なります。
難易度が低い具体例を1つ挙げれば、ご依頼者様が個人事業主である場合です。ご依頼者様が個人事業主である場合は、法人である場合と比較して作成する書類の分量が少なく、短期間で申請に至るケースが多くあり、このような場合には行政書士報酬額が安くなる傾向があります。(他の条件が同じ場合と比較して)
また、営業所技術者が国家資格を保有しているケースでも同様に、短期間で許可申請に至るケースが多くあり、この場合でも行政書士報酬額が安くなる傾向があります。(他の条件が同じ場合と比較して)
一方で、難易度が高い案件や、工数が増加する案件等の場合は、行政書士報酬額が上振れする要因となります。その要因は、ケースバイケース、実に多くのパターンが存在します。とは言え、それで済ませては何の参考にもなりませんので、代表的な高難易度・工数が増加するケースをいくつかご紹介します。(行政書士事務所によっては高難易度・工数増加として処理しない場合もあります)
- 相談から申請まで特に急を要する案件
- 申請書類の閲覧等調査が必要な場合
- 営業所が一定数以上の場合
- 申請業種が一定数以上になる場合
- 営業所技術者が一定数以上の場合
- 許可の区分によるもの(特定建設業、大臣許可)
- 法人での申請で、法人役員が一定人数以上の場合
- 営業所技術者の実務経験を使って申請する場合
- 営業所技術者の学歴を使って申請する場合
- 営業所技術者の資格証原本を紛失の場合、再発行手続きのサポート等
- 経営業務管理責任者・営業所技術者が出向役員・出向社員の場合
- 経営業務管理責任者を「準ずる地位」「準ずる地位の補佐」「役員等に次ぐ地位」で申請する場合
- 経営業務管理責任者証明書が2枚以上に渡る場合証明・証明者への証明依頼を代行する場合
- 経営業務管理責任者を「直接に補佐する者」で申請する場合
- 経営業務管理責任者が成年被後見人または被保佐人に該当する場合
- 経営業務管理責任者を海外役員経験に基づく国土交通大臣認定で申請する場合
- 議決権の100分の5以上を有する株主の数が一定数以上の場合
- 定款の変更や定款の書き換えがある場合、変更区分に応じて定款や議事録作成料が必要な場合
ご依頼者様が書類を作成したり提供していただく場合と、行政書士が代行で作成したり取得したりする場合によっても、当然工数が変動してきますが、上記のようなケースを参考にして、見積金額の総額確認に加えて、「何故その金額なのか?その金額でどこまでやってもらえるのか?」ということを確認してみてください。
また報酬額の水準の面では、近年、物価・人件費・燃料費など外部環境の変化もあり、そもそも報酬額の水準が上昇傾向となっています。
補足|相談料・調査料の取り扱いについて
行政書士が建設業許可の申請代行サービスを受任するにあたっては、事前にご依頼者様からしっかりとお話を伺い、その内容をもとに要件確認をたり、申請窓口に問い合わせたりするなどの調査を行うのが一般的です。
まったく許可の見込みがないことに時間と費用をかけるのは、関係者全員にとってデメリットでしかないためです。そのため、許可の可能性が高いと判断してから、正式に委任契約を取り交わし、業務に着手するケースがほとんどです。
例えば、当事務所の場合は、必要事項についてお話を一通りお伺いした後、必要に応じて申請窓口に確認を行い、許可の可否を検討します。申請窓口に直接出向き、担当者と協議を行う場合もあります。
ご依頼者様にはなかなか見えにくいのですが、行政書士の専門性が最も活かされるのは、実はこの場面だと思います。「許可要件を満たしているか」、「他に必要な書類や手続きはないか」をすぐに窓口に聞くのではなく、先ずは自分で調べることができるのが専門性の高い行政書士といえるでしょう。
当事務所は、申請窓口の言うとおりに書類を作成するだけではなく、担当者が言うことが法令に根拠があることなのか、しっかりと確認してからご依頼者様にフィードバックするようにしています。これは、ご依頼者様の利益の最大化を実現するために必要なことと考えているためです。
この相談・調査に係る費用が、「建設業許可申請本体の報酬額に含まれるのか」、「別途必要なのか」は事務所ごとに異なるため、事前に確認をしておくと良いでしょう。予め相談料を受領したうえで、正式な依頼があれば報酬額に充当する事務所もあります。
費用の見積書で分かる行政書士の専門性
「事前調査を自分でやれるかどうか」言い換えれば、「申請窓口に聞くだけで終わっていないか」が、建設業許可についての専門性がある行政書士かどうかを見分けるポイントとなることは先ほどお伝えしました。
これもやはりご依頼者様にとっては確認が難しい場合も多いため、ご依頼者様が行政書士の専門性を簡単に見分ける現実的な方法として、「見積額の根拠をきちんと説明できるか」という点を基準に判断することが有効です。なぜなら、単純に、相場どおりに報酬額を設定しているだけでその根拠が説明できない場合、それは、建設業許可申請の業務経験が少ないというケースが想定されるためです。
本来、根拠ある見積額を提示するためには、業務を細分化し、それぞれの工程にどれくらいの時間がかかるかをある程度正確に把握しておく必要があります。例えば、見積書に「建設業許可申請書類作成及び申請一式○〇万円」という記載があった場合、その明細を聞いてみるとよいでしょう。
そして、「どういう作業をどういう順番で行っていくのか」、「1つ1つの作業の内容や難易度」、「なぜ相場よりも高いのか」などをきちんと説明ができるのであれば、妥当性がある見積書、専門性の高い行政書士と判断して良いのではないかと思います。
ちなみに、当事務所でも、地域での「相場」も考慮しながらも、作業工程ごとにどれくらいの時間がかかるのかを見積もり、それに時間単価を乗じて見積書を作成しています。
最後にチェックポイント|広島で建設業許可の見積もりを依頼する前に
- 申請の種類(新規/更新/業種追加、知事・大臣、一般・特定)
- 許可要件の適合状況
- 高難易度化・工数増加の要素の有無
- 書類の準備状況(証明書の有無・必要部数、過去からの変更点)
- 申請までのスケジュール(至急の対応が必要か)
- 作業分担範囲(ご依頼者様で何を作成し、何を準備するか)
この辺りをクリアしておけば、受け取った見積書の金額が、ご依頼者様にとって妥当な金額かどうか、ある程度はご判断できるのではないかと思います。
建設業許可の概要や要件についての詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。
この記事に関するよくあるご質問(FAQ)
- Q建設業許可の申請費用は一律ですか?
- A
法定費用(申請手数料)は全国一律です。知事許可の新規は90,000円、大臣許可は150,000円と定められています。ただし、実費や行政書士報酬は案件ごとに変動します。
- Q実費とはどのようなものですか?
- A
実費には履歴事項全部証明書や納税証明などの公的証明書取得費用、交通費、通信費などが含まれます。平均的には数千円〜1万円程度ですが、案件によって増減します。
- Q行政書士に依頼した場合の費用相場はいくらですか?
- A
広島県内での相場は、新規申請で10万〜20万円、更新や業種追加で5万5千〜10万円程度が目安です。難易度や工数によって報酬額は上下します。
- Q行政書士によって費用に差があるのはなぜですか?
- A
はい、初回相談は無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。オンラインでのご相談も対応可能です。
- Q見積書を見る際のポイントは何ですか?
- A
「費用総額の内訳が明確か」「なぜその金額なのかを説明できるか」「どこまでサポートが含まれているか」を確認することが重要です。単に金額だけでなく、根拠やサービス範囲を見極めてください。
終わりに、行政書士からひと言|見積書の金額は出発点、その根拠こそ本質です。

「建設業許可 広島 費用 相場」というキーワードで検索すると、さまざまな価格を設定したウェブブサイトがヒットしてきます。しかし、この金額は、「相場」「目安」「標準的な価格」であって、ご依頼者様にとっての「最終的な価格」ではことにご留意ください。
建設業許可申請にかかる費用総額は、全国一律の法定費用、案件ごとに変動する実費、仕事の中身に比例する行政書士報酬額報酬という3層構造で成り立っています。この費用総額の妥当性は、行政書士が提示する費用の内訳や根拠の有無で確認ができます。
内訳や根拠が不明瞭な場合は、依頼する前に必ずその根拠や詳細について確認するようにしましょう。これにより、提示された金額が適正であるか判断でき、安心して手続きを依頼することができます。
記事はここまでとなります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
建設業許可に関して、何かご不明な点や疑問点等がありましたら、どうぞお気軽に当事務所の無料相談や申請代行サービスをご利用ください。


